傷寒論 辨脈法 第三條

問曰病有灑淅惡寒而復發熱者何荅曰陰脈不足陽往從之陽脈不足陰往乘之曰何謂陽不足荅曰假令寸口脈微名曰陽不足陰氣上入陽中則灑淅惡寒也曰何謂陰不足荅曰假令尺脈弱名曰陰不足陽氣下陷入陰中則發熱也。

問ふて曰く、病に灑淅惡寒して復た發熱する者あり、何ぞや、荅へて曰く陰脈不足すれば陽往きて之に從ひ、陽脈不足すれば陰往きて之に乘ず、曰く何をか陽不足と謂ふ、荅へて曰く假令ば寸口脈微を名づけて陽不足と曰ふ、陰氣上って陽中に入れば則ち灑淅惡寒する也、曰く何をか陰不足と謂ふ、荅へて曰く假令ば尺脈弱なれば名づけて陰不足と謂ふ、陽氣下陷して陰中に入れば則ち發熱するなり。

お尋ねします、病氣に灑淅惡寒してまた發熱するものがありますが何でしょうか、先生が荅えていわれるのには、陰脈が不足すれば陽が行ってこれに從い、陽脈が不足すれば陰が行ってこれに乘ず、何を陽不足と言うのだろうか、先生が荅えて言われるは、例えば寸口脈微を陽の不足と名づけます、陰氣が上って陽の中に入ると灑淅惡寒します、何を陰不足と言うのか、先生が荅えて言われるのには、尺脈弱を陰不足と名づけます、陽氣が下り陰中に入ればすなわち發熱するのであります。