傷寒論 辨脈法 第十九條

問曰病有戰而汗出因得解者何也荅曰脈浮而緊按之反芤此爲本虛故當戰而汗出也其人本虛是以發戰以脈浮故當汗出而解也若脈浮而數按之不芤此人本不虛若欲自解但汗出耳不發戰也。

問ふて曰く、病に戰して汗出で因って解を得る者あり、何ぞや、荅へて曰く、脈浮にして緊之を按ずれば反って芤、此れ本と虛するとなす、故に當に戰して汗出づべきなり、其の人本と虛す是を以て戰を發す、脈浮なるを以ての故に當に汗出でて解すべきなり、若し脈浮にして數之を按じて芤ならざるは此の人もと虛せず若し自から解せんと欲すれば但だ汗出づるのみ、戰を發せざるなり。

お尋ねします、病氣でふるえて汗が出てそれで治る者があるのはどういうことでしょうか。先生が荅えて言われるのには、脈が浮いて緊であります。これを触って見るのに逆に芤で、これは本来虛しているからで、まさにふるえを發して汗が出るのである。その人がもともと虛しているのでふるえを發して、脈が浮であるので当然汗が出て解するのである。もし脈が浮で數、これを触って芤でない、この人が元々虛していない、もし自然に治ろうとするときに、ただ汗が出るだけで、ふるえを發しないで治るのです。