傷寒論 辨脈法 第五十條
傷寒欬逆上氣其脈散者死謂其形損故也。
傷寒がい逆上氣し其の脈散なる者は死す、謂ふは其の形ち損ずるが故なり。
寒に傷られて、咳がこみ上げてきて、顔が赤くなり、その病人の脈を按じて見ると散ってわからなくなるような弱い脈をしているものは、死ぬのである。欬逆上氣は肺が病んでいる。肺氣は全身に榮衛氣をめぐらすものであるから、肺が病んで脈が散を現わしているものは、榮衛、陰陽がはなれて、病狀がそこなわれているからである。