傷寒論 平脈法 第四條
問曰上工望而知之中工問而知之下工脈而知之願聞其説師曰病家人請云病人若發熱身體疼病人自臥師到診其脈沈而遲者知其差也何以知之表有病者脈當浮大今脈反沈遲故知愈也。
問ふて曰く、上工は望んで之を知り中工は問ふて之を知り下工は脈して之を知ると、願はくば其の説を聞かん、師のたまはく、病家の人請ふて云ふ、病人若發熱身體疼むがごとく病人自から臥すと、師到って其の脈を診するに沈にして遲なる者は其の差えたるを知るなり、何を以て之を知る、表に病あれば脈は當に浮大なるべきに今脈反って沈遲故に愈ゆるを知るなり。
お尋ねしますが、上工は望んで之を知り、中工は問いて之を知り、下工は脈を診て之を知ると言われているが、できればその説を教えていただけないでしょうか。先生が言われるのには、病家の人が來て、請うて言うのには、病人が發熱して体が疼み、病人が自ら臥して、医師が到着して診察して見ると、その脈が沈で遲である者は(病氣が)なおっているだ。どういうふうにして之を知るのでしょうか。表に病氣が有ると、脈は必ず浮大になるはずである。今、脈が沈で遲であるから(病氣が)なおっているのを知るのである。