傷寒論 平脈法 第十七條
問曰脈有災怪何謂也師曰假令人病脈得太陽與形證相應因爲作湯比還送湯如食頃病人乃大吐若下利腹中痛師曰我前來不見此證今乃變異是名災怪又問曰何緣作此吐利荅曰或有舊時服藥今乃發作故名災怪耳。
問ふて曰く、脈に災怪ありとは何の謂ひぞや、師の曰はく假令ば人病みて脈に太陽を得て形證と相應ず、因って湯を作ることを爲し還る比ほい湯を送れば食頃の如にして病人乃ち大いに吐し若くは下利して腹中痛む、師の曰はく我れ前に來りしに此の證見はれず今乃ち變異す是れを災怪と名づく、また問ふて曰く何に緣りて此の吐利を作す、荅へて曰く或は舊時藥を服すること有りて今乃ち發作す故に災怪と名づくる耳。
お尋ねします、脈に災怪というものが有りますがどういうことでしょうか、先生が言われるのには、たとえば人が病氣になって、脈が太陽と形証が相応ずるので、よって湯を作り還る頃湯を送り、食頃に病人がすなわち大いに吐し若しくは下利し腹中が痛むという、先生が言われるのには、私が前に来た時はこの証が無かった、今すなわち変異する、災怪と名づける、又先生にお尋ねするには、この吐痢は何によるか、先生が荅えて言われるのには、前に藥を服し今發作するので災怪と名づけるのである。