傷寒論　平脈法　第三十七條

寸口脈微而濇微者衛氣不行濇者榮氣不足榮衛不能相將三焦無所仰身體痹不仁榮氣不足則煩疼口難言衛氣虛則惡寒數欠三焦不歸其部上焦不歸者噫而酢吞中焦不歸者不能消穀引食下焦不歸者則遺溲。

寸口の脈、微にして濇、微なる者は衛氣行かず、濇なる者は榮氣不足す、榮衛相將する能はず三焦も仰ぐ所なければ、身體痹して不仁す、榮氣不足すれば則ち煩疼し口言ひ難く、衛氣虛すれば則ち惡寒しばしば欠す、三焦其の部に歸せざれば、上焦歸せざるは噫して酢吞し、中焦歸せざる者は消穀引食する能はず、下焦歸せざるは則ち遺溲す。

寸口の脈が微で濇である、微なる者は衛氣が巡らず、濇る者は榮氣が不足している、榮衛が相將することが出來ない（互いに引き合うことが出來ない）、三焦も仰（たのむ）ところなく、からだが麻痹して不仁してる、榮氣が不足すると煩疼し言葉が出ない、衛氣が虛すると惡寒し、何度もあくびが出る、三焦がその部に歸することが無い者はおくびが出て酢吞する、中焦が歸らないものは穀物を消化したり引食できない、下焦が歸することが無い者は遺溲する。