傷寒論 傷寒例 第一條

陰陽大論云春氣溫和夏氣暑熱秋氣淸涼冬氣冷冽此則四時正氣之序也冬時嚴寒萬類深藏君子固密則不傷於寒觸冒之者乃名傷寒耳。

陰陽大論に云ふ、春の氣は溫和、夏の氣は暑熱、秋の氣は淸涼、冬の氣は冷冽、此れ則ち四時正氣の序なり、冬時は嚴寒萬類も深藏す、君子固密なれば則ち寒に傷られず、觸れて之を冒(こうむ)る者を乃ち傷寒と名づくるのみ。

陰陽大論(書名)に云う、春の氣は溫和、夏の氣は暑熱、秋の氣は淸涼、冬の氣は冷冽(冷たく凍る)である、これはすなわち四時における正しい氣の序(順序)である、冬の時は寒さが嚴しく、万物は深く隠れ、君子(常識の有る人)は固くひっそりと暮らしているので寒に傷られないのである、寒さに侵されたものを傷寒と名づけるだけである。