傷寒論 傷寒例 第十四條

又土地溫涼高下不同物性剛柔飡居亦異是黄帝興四方之問歧伯舉四治之能以訓後賢開其未悟者臨病之工宜須兩審也。

また土地の溫涼高下同じからず物性の剛柔飡居も亦異なる、これ黄帝四方の問を發すれば歧伯は四治の能を擧げて以て後賢を訓へ其の未だ悟らざる者を開く、病に臨むの工は宜しく兩つながら審らかにすることを用ゆべきなり。

又土地の溫涼、高下と言うのは同じでなく、物性の剛柔や、飡(さん)居(きょ)も亦異なる、是の故に黄帝が四方の問いをおこし、歧伯は四治の能(藥方、運動、鍼灸、あんま)を擧げて、後の賢を訓(おし)へ、其の未だに悟(さと)らない者、病に臨むの工(醫者)は、宜しく須らく兩方(治方と人間の關係)をはっきりさせるべきである。