傷寒論 傷寒例 第十六條
尺寸俱沈細者太陰受病也當四五日發以其脈布胃中絡於嗌故腹滿而嗌乾尺寸俱沈者少陰受病也當五六日發以其脈貫腎絡於肺繫舌本故口燥舌乾而渴尺寸俱微緩者厥陰受病也當六七日發以其脈循陰器絡於肝故煩滿而囊縮此三經皆受病已入於府可下而已。
解
尺寸俱に沈細なる者は太陰病を受けたるなり當に四五日に發すべし、其の脈胃中に布き嗌を絡ふを以ての故に腹滿して嗌乾く、尺寸俱に沈の者は少陰病を受けたるなり當に五六日に發すべし、其の脈腎を貫き肺をまとひ舌本にかかるを以ての故に口燥き舌乾きて渴す、尺寸俱に微に緩かなる者は厥陰病を受けたるなり當に六七日に發すべし、その脈陰器をめぐり肝を絡ふの故を以て煩滿して囊ちぢまる、此の三經皆病を受くれば已でに府に入る下して已ゆべし。
尺寸俱に沈細の者は、太陰が病を受ける也、當然四五日に發し、其の脈は胃中に広がって喉をまとっているので、故に腹滿して嗌乾く。尺寸俱に沈の者、少陰が病を受ける也、當に五六日に發し、其の脈は腎を貫き肺を絡い、舌本に繫る、故に口燥舌乾して渇するのである。尺に緩かなる者は厥陰病を受けたるなり當に六七日に發すべし、その脈陰器をめぐり肝を絡ふの故を以て煩滿して囊ちぢまる、此の三經皆病を受くれば已でに府に入る下して已ゆべし。