傷寒論 傷寒例 第十九條
若脈陰陽俱盛重感於寒者變爲溫瘧陽脈浮滑陰脈濡弱者更遇於風變爲風溫陽脈洪數陰脈實大者遇溫熱變爲溫毒溫毒爲病最重也陽脈濡弱陰脈弦緊者更遇溫氣變爲溫疫以此冬傷於寒發爲溫病脈之變證方治如説。
若し脈の陰陽俱に盛にして重ねて寒に感ずる者は變じて溫瘧となる、陽脈浮滑陰脈濡弱なる者は更に風に遇へば變じて風溫となる、陽脈洪數陰脈實大の者は溫熱に遇ふて變じて溫毒となる、溫毒は病最も重きを爲すなり、陽脈濡弱陰脈弦緊の者は更に溫氣に遇へば變じて溫疫をなす、此れ冬に寒に傷れたるが發して溫病を爲すとなす、脈の變證の方治は説の如し。
若し脈が陰陽俱に盛で、重ねて寒に感ずる者は、變じて溫瘧となる、陽脈が浮滑、陰脈が濡弱の者は、更に風に遇えば變じて風溫となる、陽脈が洪數で、陰脈が實大の者は、更に溫熱に遇えば、變じて溫毒となる、溫毒は病が最も重いとする、陽脈が濡弱、陰脈が弦緊の者は、更に溫氣に遇えば變じて溫疫をなす、此れ冬に寒に傷られ、入って發して溫病となる、脈の變證、方治は説の如くである。