傷寒論 傷寒例 第二十五條
凡發汗溫服湯藥其方雖言日三服若病劇不解當促其間可半日中盡三服若與病相阻即便有所覺重病者一日一夜當晬時觀之如服一劑病證猶在故當復作本湯服之至有不肯汗出服三劑乃解若汗不出者死病也。
凡そ汗を發するに湯藥を溫服するに其方に日に三服すと言ふと雖も若し病劇しくして解せざれば當に其間を促すべし、半日中に三服を盡すべし、若し病と相阻めば即ち便ち覺ゆる所あり、重病の者は一日一夜當に晬時に之を觀るべし、如し一劑を服し病證猶ほ在らば故の如く當に復た本湯を作りて之を服すべし、汗出づるを肯(がえ)んぜざるあるに至りても三劑を服すれば乃ち解す、若し汗出でざる者は死病なり。
一般に汗を發するのには湯藥を溫服する、其の方は一日三服すると言っても、若しも病が劇しく治らない時は、當然其の服用期間をつめて、半日(六時間)のうちに盡く三服を服用させてやりなさい、若しも病と相い阻めば(効かない場合)、直ちに病氣と藥が合わないところがあって病の重い者は、一日一夜(二十四時間)に、當然晬時(二時間)に病人を觀察して見舞ってやれ、一劑を服するころ、病の證がまだ在れば、復た本湯を作って服する、至有不肯汗出が出ることをゆるさない場合でも、三劑(三日分)を服すれば乃ちなおってしまう、若し汗が出ない者は、死ぬ病である。