傷寒論 痓濕暍病 第九條

濕家其人但頭汗出背強欲得被覆向火若下之早則噦胸滿小便不利舌上如胎者以丹田有熱胸中有寒渴欲得水而不能飮則口燥煩也。

濕家其人但だ頭汗出で背強ばり被覆を得て火に向はんと欲するを若し之を下すこと早ければ則ち噦し胸滿小便不利す、舌上胎の如き者は丹田に熱あり胸中に寒あるを以て渴して水を得んと欲すれども飮む能はず則ち口燥煩するなり。

濕家は其の人が但だ頭汗が出て背が強り被覆を得て火に向かおうとする。若しもこの病人に下しをかけるのが早すぎると、しゃっくりが出て胸滿して小便が出が惡くなり、舌の上に胎のような物ができる。丹田に熱があるからである。胸中に寒が有ってのどが渇いて水を飮みたがるが飮むことが出來ず、口が燥いて煩するのだ。