傷寒論 痓濕暍病 第十一條

問曰風濕相搏一身盡疼痛法當汗出而解值天陰雨不止醫云此可發汗汗之病不愈者何也荅曰發其汗汗大出者但風氣去濕氣在是故不愈也若治風濕者發其汗但微微似欲汗出者風濕俱去也。

とふて曰く風濕相搏てば一身盡く疼痛す、法まさに汗出でて解すべし、天の陰雨に値ひ止まず、醫云ふこれ汗を發すべしと、之を汗して病愈えざる者は何ぞや、荅へて曰く其汗を發し汗大いに出づる者は但風氣去り濕氣在り是の故に愈えざるなり、若し風濕を治せんとする者は其汗を發すること但微微として汗出でんとするに似たる者は風濕俱に去るなり。

お尋ねしますが、風と濕が打ち合って体じゅうが痛み、病氣は原則として汗が出ればなおるのです、天の陰雨にあって止らない、醫者が云うのには、此れは發汗すべきだ、この病人に發汗して病氣が愈らないという者はどういう事でしょうか?、先生が荅えて言われるのには、其の汗を發するのに汗がうんと沢山出る者は、但だ風氣が去って濕氣が在るからで、こういう事で愈らないのだ、若し風と濕とを治そうとする者は、其の汗を發するのに但だ微微として汗が出てくるようにすると、風と濕が俱に去るのだ。