傷寒論 太陽病上篇 第十二條
病人身大熱反欲得近衣者熱在皮膚寒在骨髓也身大寒反不欲近衣者寒在皮膚熱在骨髓也。
病人身大いに熱するに反って衣を近づくるを得んと欲するは熱皮膚に在るも寒骨髓に在るなり、身大いに寒するに反って衣を近づくるを欲せざる者は寒皮膚に在り熱骨髓に在るなり。
病人の身體が大変あついのに、かえって衣服を着たがる者は、熱が皮膚にあって、寒が体内深くにあるからである。病人の身體が冷めたいのに、かえって衣服を着たがらないものは、寒による冷えが皮膚に停滞していて、熱が骨髄にあるからである。從って皮膚をさわってみても冷めたく、冬でも薄着をしたがるものは、内熱といえることになるので、寒熱の存在を考える大切な條文であるといえる。