傷寒論 太陽病中篇 第七十四條

傷寒陽脈澀陰脈弦法當腹中急痛者先與小建中湯不差者與小柴胡湯主之。

傷寒、陽脈澀、陰脈弦、法當に腹中急痛すべき者には、先づ、小建中湯を與ふ、差へざる者は、小柴胡湯を與へて、之れを主どる。

寒に侵されて陽脈である寸口がしぶっていて、陰脈の尺中が弦である場合は、法則として腹中が急に痛むはずである。寸口の澀は陽氣の不足であり、尺中の弦は寒で裏の寒である。まず小建中湯を与えてやりなさい。もしそれでも治らないものは、小柴胡湯を与えて主治しなさい。病を治する場合にはまず虛を先に治するのが順序である。