傷寒論 太陽病中篇 第九十條

脈浮熱甚反灸之此爲實實以虛治因火而動必咽燥唾血。

脈浮、熱甚しきに、反って之に灸するは、此を實と爲す、實は虛を以て治するに、火に因って動ずれば、必ず咽燥唾血す。

病人の脈が浮いていて、その上ひどい熱がある時に、當然發汗劑を用いるべきであるのに、灸をして病を實しさせる行爲をしてしまった。一般に熱實の病は虛させる方法を以って治すのがあたりまえであるのに、火熱によって血を動ずると、必ず咽がはしゃいで血のまざった唾液を吐くようになる。