傷寒論 太陽病中篇 第九十一條
微數之脈愼不可灸因火爲邪則爲煩逆追虛逐實血散脈中火氣雖微内攻有力焦骨傷筋血難復也。
微數の脈は、愼んで灸すべからず、火に因って邪を爲すときは、則ち煩逆を爲さしむ、虛を追ひ、實を逐ひ、血を脈中に散じ、火氣、微なりと雖も、内を攻むること力有れば、骨を焦され、筋を傷られ、血、復し難きなり。
微であって數の脈は、血虛であり、熱がある時は間違っても灸をしてはいけないのである。火熱療法によって病を起こす、則ち苦しい症狀を起こします。虛は補うべきであるのに、實を瀉する方法をもちい、血の流れが經脈中に散らかり、正しい働きをしなくなってしまう。火力が弱くても、内を攻めるのには、力がありますから、骨に熱を持たせたり、筋肉をそこない血の正しいめぐりをするには、復し難いものであります。
