傷寒論 太陽病中篇 第九十四條

燒鍼令其汗鍼處被寒核起而赤者必發奔豚氣從少腹上衝心者灸其核上各一壯與桂枝加桂湯更加桂二兩。

燒鍼にて其の汗せしめたるに、鍼處寒を被り、核起って赤き者は、必ず奔豚を發す、氣、少腹より、上って心を衝く者は、其の核上に灸すること、各一壯、桂枝加桂湯、更に桂二兩を加へたるを與ふ。

發汗をしないので燒鍼をして發汗をさせたところが、燒鍼を加えたところに寒を生じて、しこりができてあかくなっているものは、必ず奔豚を起こそうとしているのである。奔豚氣を起こすと、氣が下腹の方から氣がのぼって、心藏のあたりまでつき上げてくるようになる。このようなものには、その赤くなっている核上に、おのおの一回灸をすえて、寒をちらして氣のながれをよくして、桂枝加桂湯を與えてやればよいのである。