傷寒論 太陽病下篇 第三十一條
傷寒中風醫反下之其人下利日數十行穀不化腹中雷鳴心下痞鞕而滿乾嘔心煩不得安醫見心下痞謂病不盡復下之其痞益甚此非結熱但以胃中虛客氣上逆故使鞕也甘艸瀉心湯主之。
傷寒中風、醫反って之れを下し其の人下利日に數十行穀化せず腹中雷鳴心下痞鞕して滿、乾嘔心煩安きを得ず、醫心下痞するを見て病ひ盡きずと謂ひ復之れを下し其の痞益す甚し、此れ結熱に非ず但だ胃中虛し客氣上逆するを以ての故の鞕からしむるなり、甘艸瀉心湯、之れを主どる。
傷寒もしくは中風で醫者が下すべきでないのを下してしまった。そのために一日に數十回も不消化便を下利をして腹中がゴロゴロとなって、心下がつかえてかたくなりその上に張ってしまいゲエゲエと嘔き氣を起こしても何も出ず、胸苦しくておちついていられない狀態である。醫者が心下部のつかえを診て病が治りきっていないと思って(内熱と思い違いして)その上に下しをかけたために、心下の痞えがますますひどくなってしまった。この場合には心下の痞は熱結ではなくて、ただ胃中が虛冷しているために外から入って來た病邪が上の方に逆して來るために、心下がつかえてかたくなるのである。甘艸瀉心湯が主治します。
