★ 2005年 第38回日本薬剤師学術大会(広島)

★ 2005年 第38回日本薬剤師学術大会(広島) ★

初めてこの広島で開催された日本薬剤師学術大会から参加しました。
学会発表は実に十数年ぶり・・・。久しぶりに緊張した講演でした。

この演題はじほうの「調剤と情報」に記事に載りました。さらに、後日、PharmaNextの取材を受けました。薬剤師になって初めてじほうの記者さんに取材されました。うれし、はずかしでした。以下、要旨です。



【演題名】お母さん達からの小児の薬に対する「なぜ?」、「どうしたらいい?」:電話による問い合わせの集計から

【演 者】 松本康弘(ワタナベ薬局・上宮永店 大分)

【はじめに】小児科の処方箋を持ってこられるお母さん達にとっては、初めて経験することが少なくない。また、仕事をしているため、祖父母が受け取りに来られることもある。薬局でよく説明したつもりでも、十分に伝わらないことがある。今回、どういう点が分かりにくいのか、電話による薬の問い合わせを集計し、分類してみた。

【実施内容】本薬局では電話による患者さんからの質問を薬歴に記載している。平成15年8月から平成17年5月までの1年 10ヶ月の間の電話による問い合わせを、薬歴から抽出した。271件の電話による問い合わせがあった。問い合わせの多い順位に、1.併用薬との飲み合わせ、2.服用方法、3.頓服・頓用の使い方、4.薬が飲めない、5.薬の副作用について、となった。以下、それぞれの詳細を列挙する。
1.併用薬との飲み合わせ:a)前の処方薬との飲み合わせ、b)他の病院の薬との併用がほとんどを占めたが、OTCとの飲み合わせの質問もあった。
2.服用方法:「子供が寝てしまって飲めなかった」、「忙しくて飲ませるのを忘れていた」等により服用時間がずれて、次飲むまでの間隔をどれくらいあけるかと言う質問が最も多かった。
3.頓服・頓用の使い方:熱が出たときの、解熱剤の使い方が約半数に及び、家にある坐薬の使用の可否についての質問とあわせると、8割近くに達した。
4.薬が飲めない:飲みにくい薬としては、マクロライド系抗生剤やセフェム系の一部の抗生剤(バナン等)が上げられた。また、その際、甘いもの(ジュース、砂糖等々)と混ぜてもよいのかという質問も散見された。
5.薬の副作用:重大な副作用の問い合わせはなかったが、a)便の性状の変化(下痢、便の色等々)、b)眠気(懇々とよく寝る等々)が同数あった。

【まとめ】今回の電話による問い合わせを集計してみると、質問にある一定の傾向がみられた。これらは、投薬時の説明が必ずしも十分でないことを示唆している。今後はこのことを踏まえて、より分かりやすく且つコンパクトに服薬指導する必要がある。また、これからも気軽に電話等で質問のできる薬局作りを心がけたい。