★ 2009年 第14回大分県薬剤師学術大会-その1 ★

中津市では病院薬剤師と薬局薬剤師が合同で「なのみの会」という勉強会を開いています。

2008年度にADMEの集中講義を行いました。崇城大学・医療薬学講座、山崎啓之先生に来ていただき、計6回行いました。

その時の内容を紹介しました。

講義の満足度調査を行い、それに沿って、先生に授業をしてもらいました。最後、TDMもどきの所までさせていただきました。毎回、終了後に先生も参加する飲み会が楽しみでした。

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演題:6年制薬剤師に負けるな!:もう一度チャレンジADME講座

○松本康弘1)、川口純市2)、中尾達3)、太田佳子4)、榎本厚子4)、松田樹二郎5)、縄田好一6)

所属:なのみの会(中津薬剤師会/病院薬剤師会合同研修会)
ワタナベ薬局上宮永店1)、臼杵薬局2)、中津脳神経病院3)、村上記念病院4)、大貞病院5)、中津市民病院6)

【はじめに】 
「薬物動態学は分かりますか?」と聞いたら、「私、薬物動態学は得意です」、「いつも薬物動態を考えながら投薬しています」と言える薬剤師はどれくらいいるでしょうか?計算式の多い薬物動態学は大なり小なり苦手な分野です。一方、世間には数多の参考書がありますが、1人で勉強することはとても困難です。勿論、1回の講演会で全てを理解することも不可能です。
こういう状況を踏まえて、「なのみの会(中津薬剤師会/病院薬剤師会合同研修会)」では薬学部の先生による講義形式の勉強会を立案した。今回は今年度開催中の「薬剤師のための薬物動態基礎講座」の企画から運営について紹介する。

【実施内容】 
「薬剤師のための薬物動態基礎講座」は下記の要領で行った。
講師:山崎啓之准教授(崇城大学・薬学部・医療薬剤学研究室)
開催日時:2ヶ月に1回、第4土曜日の午後6時30分から、1時間半。1年間で
     6回開催
講義の場所:中津市民病院2階会議室
内容:薬物動態の基礎を復習し、添付文書に基づいた薬物動態の考え方を
     勉強し、最終的に、投与設計にまでつなげていく

さらに以下のことを実施した。
・講義は全てDVDに録画し、仕事等のため参加できなかった受講者に配布した。
・講義の習熟度をチャックするため、講義終了時にアンケートを実施した。アンケート結果は受講者だけでなく、山崎先生にもフィードバックして、今後の講義の参考してもらった。
上記の件を含めて、なのみの会会員および宇佐薬剤師会に講座開設の趣旨説明を行い、本講座の受講者を募った。

【結果および感想】 
・今回、参加費を有料(6000円)にしたにもかかわらず、45名参加した。講義は既に4回目まで終了(12/24時点)。
・アンケートの結果から講義内容に対して7~9割は満足以上であった。しかし、反応速度論が始まり数式が出ると、理解度が低下した。今後は講師である山崎先生と連携を取り合って、投与設計までつなげていきたい。
・医療技術は日進月歩、常に新たな試みがなされている。一方で、薬学部6年制に伴い高度な薬学知識を持つ薬剤師が出てくる。病院・薬局に勤めている薬剤師も基礎から最新の知識まで理解する必要があり、この様な大学と地域の薬剤師との連携は今後より推進するべきであると考える。