★ 2009年 第14回大分県薬剤師学術大会-その2 ★


図:実務実習を受け入れる薬局、まだ受け入れてはないが今後受け入れたい薬局、どれだけ入るか調べた図です。両者を合わせると40%を超えてました。結構、大分県の薬局、ポテンシャルがあるなと感じました。

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昨年の日薬学術大会のシンポジウム用にアンケートを取ったときに、一緒に実務実習に対する薬局の認識度、対応状況等なども聞いて見ました。それを集計してまとめてみました。

大分県全体の薬局にアンケートしたので、その結果報告も含めて発表しました。

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演題: 6年制薬剤師の期待像と実務実習の取り組みについてのアンケート:
大分県下の調剤薬局でのアンケート調査の結果報告
○松本 康弘1)、森 一生2)
所属: 大分県研修協議会
ワタナベ薬局上宮永店1)、大分医師会立アルメイダ病院2)

【はじめに】 
薬学部6年制に伴い長期実務実習が義務付けされた。2010年度から2.5ヶ月の長期実務実習が薬局でも行われる。しかし、長期実務実習への調剤薬局の認識について調査した報告は極めて少ない。今回、大分県内の薬局にアンケートを行い、薬局の長期実務実習に対する認識および現状について調査した。

【実施内容】 
大分県下の調剤薬局、約500軒を対象に平成20年7月1日~8月15日の期間実施した。アンケート用紙を各薬局に郵送した。アンケート記入後、返信用封筒に入れて大分県薬剤師会に返送してもらった。期日までに312通が回収された。回収したアンケート内容は全てEXCELに入力した。

【結 果】 
①「認定実務実習指導薬剤師」の認知度は86%と高かったが、講義を受けたのは37%、ワークショップ(WS)に参加したのは21%であった。
②現在、実習生を受け入れている薬局は23%であった。その中で2.5ヶ月の実務実習は77%の薬局で不可能で、9割以上が他の薬局のとの共同で行いたいという回答であった。
③一方、実習生を受け入れてない薬局でも30%が「今後、実習生を受け入れたい」と考えていた。既に実習生を受け入れている薬局とあわせると全薬局の46%に達し、これらの薬局は6年制薬剤師の長期実務実習を引き受けてくれる可能性が高いと考えられた。
④モデルコアカリキュラムの認識は27%と低かった。その中、実際にモデルコアカリキュラムに沿った実習をした事がある薬局は18%であった。
⑤法的整備の必要となる薬品では「特定生物由来生物製剤」の取り扱える薬局が極端に少なかった(15薬局)。また、漢方製剤(19薬局)、薬局製剤(26薬局)および在宅医療(17薬局)を学べる薬局も少なかった。

【まとめ】 
認定実務実習指導薬剤師の認識は高まってきていることが明らかとなった。しかし、モデルコアカリキュラムの認識は低く、実際に行った薬局は殆どなかった。さらに漢方製剤、薬局製剤、在宅医療等の実習可能薬局は限られていた。今後、実務実習の体制整備および一部実習の分担を薬剤師会レベルで行う必要があると考えられた。

謝辞:アンケートに答えていただいた薬局の先生およびアンケートを印刷、郵送、回収して頂いた大分県薬剤師会事務局の方々に感謝を申し上げます。