薬局新聞H30.3月号
まだまだ寒いですが、春が少しずつ近づいてきています。春といえば花粉症を心配される方も多いと思います。花粉症は症状が出てからではなく、症状が現れる2週間前に薬を飲み始めると効果的と言われています。
●花粉症とは
スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。北海道ではハンノキ、イチイ、シラカバと次々に花粉が飛散してきます。
●花粉症の症状
花粉症の主な症状はくしゃみ、鼻みず、鼻づまり、目のかゆみです。異物が鼻から侵入すると、その異物を外に追い出したり体内に入りにくくする為の生体防御反応として「くしゃみ、鼻みず、鼻づまり」が現れますが、アレルギー反応によってそれらが過剰に発現するのが花粉症の症状です。そのほかには口が渇く、咳が出る、においや味がわからなくなる、不眠などの症状もでてくることがあります。
●花粉症対策
・外出時はマスク・メガネを着用し、服装も表面がスベスベした素材の上着を着ることをお勧めします。
・のどや鼻の粘膜をケアすることがとても大切になります。帰宅時のタイミングなどで、こまめにうがいをすることで、のどについた花粉を洗い流すことができます。
・帰宅したら花粉をよくはらい落とすようにし、家の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。それでも入ってきてしまった花粉は、こまめに掃除をして除去することも大切です。
●薬物療法
・抗ヒスタミン薬
花粉症の治療薬として主に使われる薬で、経口薬、点鼻薬、点眼薬があります。
くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどを引き起こすヒスタミンの作用をブロックします。
・メディエーター遊離抑制薬
花粉が体内に入ったとき、アレルギー症状を引き起こす体内物質(ヒスタミンやメディエーター)が出るのを抑える薬で、経口薬、点鼻薬、点眼薬があります。
・抗ロイコトリエン薬
鼻づまりの原因となる鼻粘膜の腫れを引き起こすロイコトリエンが、免疫細胞から放出されるのを抑制する薬です。鼻づまりを改善する効果が期待できるため、抗ヒスタミン薬などと組み合わせて使用されることが多いです。
・ステロイド薬
症状が強いときに使われ、点鼻薬、経口薬、点眼薬があります。免疫反応を抑え、どのタイプの症状にも効果がみられます。