薬局新聞H30.9月号
甲状腺ホルモンには、体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。
活動するために必要なエネルギーを作り、快適な生活を送るためになくてはならない
ホルモンです。甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても体調が悪くなってしまいます。
★甲状腺とは?
甲状腺は首の前側、のどぼとけのすぐ下にあります。
甲状腺は、食べ物に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌するところです。甲状腺ホルモンには、体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。
★甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが過剰になっている)
甲状腺ホルモンの量が多くなると、新陳代謝が活発になり、安静にしているのに頻脈になったり、動悸が起きたりします。
●甲状腺機能亢進症の症状
・頻脈、動悸 ・息切れ
・手がふるえる ・不眠
・イライラする ・暑がりになる
・疲れやすい、だるい ・目が出る
・汗が多い
●薬物療法
薬は甲状腺ホルモンの合成を抑える薬であるメルカゾール錠やブロパジール錠などが使われます。飲み始めてから、効果が出るまで数週間かかります。
★甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが不足している)
甲状腺ホルモンの量が少なくなると、全身の働きが低下します。
そのため、体がだるい、気力が出ない、脈が遅くなったりします。
●甲状腺機能低下症の症状
・疲れやすい、だるい ・便秘
・寒がりになる ・動作が鈍い
・徐脈 ・むくみ
・無気力 ・汗が少ない
・眠たい
●薬物療法
薬は体で足りなくなっている甲状腺ホルモンを補います。
治療薬にはチラーヂンS錠が使われます。
飲み始めてから効果が出るまで、数週間かかります。