H31.薬局新聞VoL.1
☆高尿酸血症・痛風
血中の尿酸が多くなり、尿酸値(UA)が7以上になった状態を高尿酸血症といいます。体内での尿酸生産量の増加で起こる場合と、尿中への尿酸排泄の低下で起こる場合、その両方で起こる場合があります。高尿酸血症の状態が長く続くと、血液に溶けきらなかった尿酸は結晶になって関節に沈着し、痛風を引き起こします。
★尿酸とは?
尿酸は、何らかの原因で過剰に作られたり、排泄が低下したりすると増加します。「プリン体」という物質が体内で分解されてできる燃えカスです。プリン体は主に肝臓で分解され尿酸となり,一時的に体内に溜め込まれた後,尿や便として排泄されます。尿酸が増えすぎた状態が続くと、血液中などに溶けきれなくなり、尿酸塩という結晶を作り、この尿酸塩が体の組織に沈着して、炎症を起こします。足の関節などに溜まりやすく、それが原因で炎症が起こり、発作的に激しい痛みや腫れを伴う痛風発作を起こすことがあります。
★症状は?
主に足の親指のつけ根に痛みが生じます。その他にも足関節、足の甲、アキレス腱のつけ根、膝関節、手関節にも痛みが起こることがあります。
★生活の注意点
・高脂肪食の食べ過ぎに注意し、野菜を多めに食べる。
・水やお茶を多く飲む。水分を多く取ることにより、尿量を多くして、尿酸の排泄を促進させましょう。
・無理のない程度に運動しましょう。運動は肥満解消になり、尿酸コントロールには重要となります。
★薬物療法
●尿酸生成抑制薬(ザイロリック、フェブリク、ウリアデック、トピロリック)
→キサンチンオキシダーゼ阻害薬と呼ばれ、尿酸が過剰に作られるのを抑えます。
●尿酸排泄促進薬(ユリノーム、ベネシッド)
→尿細管での尿酸の再吸収を抑え、尿酸の尿への排泄を促進し高尿酸血症を改善します。
●尿アルカリ化薬(ウラリット)
→尿をアルカリ性にして尿路結石を防ぎます。