かぜ薬って?
12月に入り、めっきり冷え込んできました。「かぜ薬、ください」と言われることが多くなってきました。
この『かぜ薬』ですが、みなさんは『風邪を治す薬』だと思われていませんか?残念ながら、風邪を治す薬はありません。あくまでも風邪による発熱・咳・鼻水などの症状を緩和させる薬のことを『かぜ薬』と言っています。ですから、かぜ薬も症状によって使い分けが必要ですし、風邪をひいてはいけないと言って風邪をひく前から予防的にかぜ薬を飲んでも全く意味がありません。
また、風邪のときに抗生物質が欲しいと言われる方がいますが、抗生物質は風邪には効きません。風邪によって引き起こされる肺炎や中耳炎の原因になる細菌を殺す薬です。ですから、医師は必要に応じて、さまざまな抗生物質の中から症状に合った抗生物質を処方します。風邪をひいたからといって以前にもらった抗生物質を服用してはいけません。むやみに抗生物質を服用すると、細菌も薬に負けないよう体質を変化させ、抗生物質が効かない細菌が現れます。これを『耐性菌』と言います。抵抗力の弱い高齢者や子供さんに耐性菌が感染すると、抗生物質が効かず生命の危険にかかわる場合もあります。耐性菌を作り出さないよう、医師の指示に従った抗生物質の服用が大切です。
風邪薬といえども副作用はあります。前立腺疾患・緑内障がある方は薬の服用によって尿が出にくくなったり、眼圧が悪化する場合もあります。市販の風邪薬を購入するときには自分の病気を薬剤師または登録販売者に相談して薬を選びましょう。
風邪をひかないためには、十分な睡眠と適度な食事と手洗い・うがいが必要です。ビタミンCを摂取して風邪をひかない体を作りましょう。