☆はあとだより☆12月☆
〜冬の心臓にも『蟾酥』〜
《あれから3年》完全にコロナ禍が過ぎ去ったわけではありませんが、5類に移行されたことで、街の賑わいがコロナ前に戻ったような気がします。それに伴い夏の猛暑の頃、屋外で熱中症になって救急搬送される方が増え、テレビで医師が「誰しもコロナ前より3歳、歳をとっていることを忘れないように」と注意を促していました。気がつけばコロナ禍の間に3年という月日が流れ、自分の年齢も3歳上がって現在に至っているのです。熱中症で言えることは、冬の心臓にも言えることです。コロナ前の冬の朝には体感したことがなかった「胸の重苦しさ」こそ、3年間の月日の重みです。
東洋医学では四季の移ろいとともに、身体も変化すると考えます。中でも夏の暑さと冬の寒さは、気温差が激しい分、身体への負担が大きくなります。それを支えているのが「心」と「腎」です。夏の断熱と冬の保温は、心と腎で作り上げた腎陽気の役目です。冬の寒さで、心と腎のバランスが崩れると、心臓、血管、血液に負担がかかります。蟾酥は心をいたわる生薬です。心をいたわることで、コロナ後も乗り切りたいものです。