はあとだより 1月

不眠にも「麝香」

〈気血の動揺〉 不眠のお悩みに麝香を使うことがあります。麝香は気血の流れをスムーズにしてくれる生薬です。人前で話さなければならない時や発表会、学生の受験、大人の資格試験や人生を左右する決断など、「どうしよう」と思うだけで気血の流れは滞りがちになります。気持ちの動揺は、そのまま気血の動揺につながります。
「どうしよう」と思うと、瞬間的に呼吸をするのを忘れてしまったり、呼吸が浅くなったりします。呼吸は二酸化炭素と酸素を交換することで、血液をフレッシュな状態にしてくれます。絶えず血液をドロドロからサラサラにしているのです。
そのリズムが「どうしよう」で崩れてしまうと、血液の「サラサラ度」が低下して、「ドロドロ度」が高まります。すると気血の流れは滞りがちになります。睡眠の質は、気血の滞りで悪くなります。「どうしよう」で眠れなくなるのは、そのためです。
また寒い時期は、冷えからも気血の流れは悪くなります。顔面神経痛、腰痛、膝痛などが悪化するのも、冷えが気血の滞りによる痛みを誘発するからです。
冬の寒さにご用心!

  • 2025.05.07 はあとだより4月

    ~猛暑の冷房にも鹿茸~ 冷房疲れ 冷房が苦手な方は、いかに冷房から身を守れるか、ということに並々ならぬ苦心をされているものです。なぜならば冷えることで、時に痛みが再発し,sinnpaisiteiru持病が悪化し、日常生活に支障をきたすことすらあるからです。 熱中症予防のために、良かれと思っての...

  • 2024.12.11 はあとだより 12月

    〜足のふらつきにも亀板〜 〈関節の老化〉 テレビを見ていると、良くも悪くも名前が出ると、必ずと言っていいほど名前の後ろに年齢が書かれています。これは個人情報保護の観点から考えたら、しっかりアウトのような気がしてなりません。 例えば車の暴走事故。高齢者に多いということもあり、「その歳でま...

  • 2024.11.15 はあとだより 11月

    〜寒がりにも鹿茸〜 〈耐えられない〉 寒がりは何も好き好んで寒がりをしているわけではありません。いつも厚着なのは、薄着に耐えられないからです。冷えて具合が悪くなるようなことがなければ、これほど身体が冷えることに神経質になることもないでしょう。 東洋医学では基本的に、冷えに耐えられるかどうか...

  • 2024.10.28 はあとだより 10月

    物忘れにも「羚羊角」 〈忘却の彼方〉 短な漢字には感慨深いものがあります。例えば「息」という漢字は、心の上に自分の「自」が載っています。普段、呼吸は自覚もされず、自動的になされていることが自然です。それが「どうしよう」と思うようなことが起こると、一瞬にして呼吸は乱れます。息が止まりそうになり、息が...

  • 2024.09.27 はあとだより 9月

    〜健やかな眠りにも「蟾酥」〜 〈睡眠時無呼吸症候群〉 あるひのことでした。新幹線に乗っていたら、どこからともなく血を這うような大きな「いびき」が聞こえてきました。幸いなことにお隣さんやご近所の席の方ではありませんでした。とはいえ、いつになっても気持ちよさそうなご様子、こちらはすっかり目が冴えて、...