〜痛みにも丹参〜
〈痛みの変化〉例えば転んで怪我をしたとします。その時の痛みは、傷口周辺と無理に負荷がかかった筋肉や関節などが中心です。要は因果関係のある部位に痛みがあり、しかも治るまで痛いところは同じです。痛みは徐々に減っていきます。
これに対して「動く痛み」があります。場所も動けば、程度も動く。実につかみどころのない痛みです。病気に関している痛み、気血の滞りで起こる痛みは気温でも気圧でも気分でも変化します。
一番わかりやすいのは、鍼灸指圧などの施術です。受けた直後は身体が軽く、腰の痛みも和らぎ嬉しくなります。それが3日も経てば、元の痛みに戻ることがあります。痛みの原因となっている気血の滞りを、動かしやすい「気」の滞りを散らすことで、痛みの暖和をしているからです。これに対して「血」は物質です。滞りの原因となっている血の塊は瘀血と呼ばれています。物質まで解決するには時間がかかります。一度の治療では「気」が限界です。本格的な「血」への治療には丹参など、瘀血の生薬も必要です。