はあとだより 8月
乾燥肌にも亀板
〈指先の乾燥〉
コロナ禍の時、お札に除菌スプレーをかけている映像を目にしたことがあります。自分はそこまでしなかったけれども、気持ちは良くわかります。たとえコロナ禍でなくても、金は天下の回りものです。誰が触ったかわからないのですから、世の中でこれほど不衛生なものはありません。
しかも昔は指を舐めて、お札を数えていました。お札は指が乾燥していると、張り付いたままになりやすく、数え間違えの原因となります。それを避けるために、指を湿らせる必要があるのです。舌に触れれば、いつでもどこでも即座に指は保湿できます。子供の頃は誰でも、指はベタベタするくらい瑞々しかったはずです。それがいつの間にか若葉が枯葉になるように、身体が衰えていることに気づいて悲しくなります。認めたくなくても老化の現実を垣間見ることとなります。いくら水分補給をしても、乾燥肌は止まりません。それは潤いを保ち続ける保湿力が低下しているからです。以前より乾燥肌が気になりだしたら、亀板を思い出してください。