はあとだより 9月
〜健やかな眠りにも「蟾酥」〜
〈睡眠時無呼吸症候群〉
あるひのことでした。新幹線に乗っていたら、どこからともなく血を這うような大きな「いびき」が聞こえてきました。幸いなことにお隣さんやご近所の席の方ではありませんでした。とはいえ、いつになっても気持ちよさそうなご様子、こちらはすっかり目が冴えて、うたた寝どころではありません。結局、自分が降りるまで、いびきが途絶えることはありませんでした。規則正しくリズムを刻みながら、たまに息が止まっていました。聞く 者の安眠を奪うことも、これが 毎日となったら深刻です。しかし「睡眠時無呼吸症候群」というように、ご本人の無呼吸はさらに深刻です。
東洋医学的に言えば、呼吸は、心が鼓動を作り、それがポンプ力となり、全身の気血を肺に集中させて「気」の入れ替えをする一連の働きのことです。なので動悸と息切れは感じ方に差があっても、セットで起こりやすいのです。心は心臓だけではなく、汗と気持ちと循環器を含みます。心を整えたい時は、寝ても覚めても、まずは蟾酥です。