はあとだより 11月

〜寒がりにも鹿茸〜

〈耐えられない〉
寒がりは何も好き好んで寒がりをしているわけではありません。いつも厚着なのは、薄着に耐えられないからです。冷えて具合が悪くなるようなことがなければ、これほど身体が冷えることに神経質になることもないでしょう。
東洋医学では基本的に、冷えに耐えられるかどうかは、腎陽気が足りているかどうかで判断します。腎陽気の不足を腎陽虚といいます。もちろんその腎陽虚を引き起こす要因は複雑です。しかし「冷えて困る」というお悩みに対し、腎陽気を補うことで改善されることがあります。
鹿茸や鹿角は、腎陽気を補いたい時に使います。冷えは体質と諦めて我慢している方が多いものです。冷えが深ければ、補腎陽の成果が実感できるまでには時間がかかることがあります。その代わり「最近、トイレの回数が減ったみたい」「ちょっとくらい冷えても、前より大丈夫になったのよ」という感じで、自然に冷えを気にしなくても平気な身体になっていくようです。鹿茸は、とても奥ゆかしい動物生薬なのかもしれません。