糖尿鵜病は6年寿命をちじめる

糖尿病は細血管および大血管に障害を及ぼし、心疾患、脳卒中、等々のアクシデントを起こし、寿命を早めます。さらに、血糖が高いこと、インスリンが多いことはがんも誘発します。

そんなこんな考えると、糖尿病は単独で死亡の危険因子であると可能性が高いと思われます。

そこで、実際、糖尿病というだけで、または空腹時血糖が高いということで、寿命に影響するか調べたレポートがNEJMに掲載されていました(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1008862

■方法■
メタ解析のようです。97の前向き研究の成績をプールし、参加した820,900人の中で死亡した123,205人の死亡原因を調べるとともに、糖尿病の診断または空腹時血糖を調査しました。

■結果■
性別、喫煙、BMI等々の因子を排除してみると、糖尿病の患者さんは、全ての死亡へのリスクは80%(ハザード比は1.8)、癌による死亡は25%(ハザード比は1.25)、血管性疾患による死亡では132%(ハザード比2.32)、その他の原因による死亡は73%(ハザード比は1.73)と、非糖尿病患者と比べると、増加しました。

また、糖尿病は肝臓がん、すい臓がん、子宮がん、大腸がん、肺がん、膀胱がん、乳がんによる死亡と軽度ですが相関してました。

ガンと血管性の疾患以外では、糖尿病は腎臓病、肝臓病、肺炎やそれ以外の感染症、精神系疾患、非肝臓系消化器疾患、自虐行為(self-harm)、神経系疾患およびCOPDによる死亡とこれも若干ですが相関してました。

ハザード比は血糖値で補正すると、当然ですが、減少しますが、収縮期血圧、脂質レベル、炎症、腎臓機能マーカーで補正しても変わりませんでした。

空腹時血糖は100mg/dLを超えると死亡と相関しました(空腹時血糖が上昇すると死亡が増える)が、70-100mg/dLだと相関しませんでした。

50歳で糖尿病の患者さんは平均で糖尿病出ない人より5年早く亡くなると計算されました。

■まとめ■
「50歳で糖尿病の患者さんは平均で糖尿病出ない人より5年早く亡くなる」というのはインパクトがあると思います。指導のときに使えるかもしれませんが、ちょっと脅しのような感じになりますね。