昨日の勉強会 その1

昨日、諭吉市では「第2回 美夜古糖尿病代謝懇話会」というタイトルで糖尿病の疫学調査の特別講演がありました。

疫学調査は九州発で有名な久留米大学が実施している「田主丸研究」と九大主管の「久山研究」です。

■田主丸研究
もともと50年前に始まった世界7カ国共同研究由来です。日本では農村部の田主丸町と、漁村の牛深市が選ばれました。

栄養と冠動脈疾患の関係を見た調査です。

冠動脈疾患による死亡率はアメリカ、オランダ、フィンランドが多く、日本やイタリアでは少ないかったようです(25年前ですが)。

コレステロールや血圧、さらには飽和脂肪酸摂取量が冠動脈疾患による死亡率と相関しました。

特に、飽和脂肪酸は動物性脂肪に多く、欧米人は動物性脂肪を多く取っていました。一方、不飽和脂肪酸は豆類等に多く、日本人は豆類等の植物性脂肪の摂取が多かったようです。

ただ、50年後の最近、調査すると、コレステロールは欧米と同じレベルまで上がっていました。しかし、冠動脈疾患による死亡率はそれほど増加しません。

これは、暴露時間の問題もある様です。コレステロールや飽和脂肪酸ももっと長い時間暴露される必要があるようです。

ただ、女性は1999年に平均コレステロール量は米国に追いついたので、女性は特に注意が必要かもしれません。

何はともあれ、脂肪の取りすぎだけでなく、大事なのは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合です。偏らず、満遍なく食べることが大事ですね。