昨日の勉強会 その2

■久山町研究

「変貌する日本人の糖尿病合併症:久山研究」
というタイトルで、九州大学の先生が講演されました。

久山研究が田主丸と違うのは剖検を行ったということです(80%以上)。こうすることで、死亡原因が明らかになります。
さらに、町の外に引っ越しても、徹底的に追跡調査をします(追跡率は99%と探偵なみです)。

近年の傾向としては耐糖能異常が増えたことです。特に男性に限って言えば、2002年には50%を超えています(すなわち、40歳以上は半分以上が耐糖能異常です)。

この耐糖能異常、心筋梗塞や脳梗塞の危険因子になるのはご存知のとおりです。さらに、悪性腫瘍や認知症の危険因子でもありました。

悪性腫瘍はそれほど空腹時血糖やHbA1cが高くなくても危険因子となりました。原因は糖毒性と高インスリン血症です。

認知症はアルツハイマーも血管性も療法ともリスクを上げます。血中インスリン値とよく相関します。原因は、糖毒性、動脈硬化、高インスリン血症、微小血管病変を上げてました。

軽いうちから糖尿病は治療が必要ですね