ビズホスホネートと顎骨壊死:昨日の勉強会
ビスホスホネートは骨粗しょう症治療の第一選択薬です。
既に多くの大規模臨床試験で、椎体骨骨折や大腿骨頸部骨折を予防することが既に報告されています。
しかし、数年前から問題となっているのが顎骨壊死です。歯科の先生はビスホスホネート製剤の使用を、当然ですが、非常に心配します。
昨日の諭吉市医師会の勉強会は「抜歯の時、ビスホスホネート系を中止した方が良いのか?」という内容で、この問題の解説がありました。
■顎骨壊死とは?
「顎骨壊死:顎顔面の露出壊死が8週間を超えている」とのこと
危険因子:ステロイド、糖尿病、喫煙、抗がん剤、ステロイド、口腔内衛生不良
■顎骨壊死の原因は?
感染性壊死、これがビスホスホネートによる顎骨壊死ではおきている。非感染性壊死はビスホスホネートでは生じていいない。
実際、ビスホスホネート系だけでなく、デノスマブ(RANKL阻害剤:強力なこと吸収阻止)でも顎骨壊死を起こす(デノスマブは骨にくっつかない)。また、SERMでも起こるという報告がある。
骨形成抑制⇒菌の形成が促進される・・・そういうような感じでした
■休薬について
基本的には抜歯のときは勝手に、「ビスホスホネートの服薬をやめないほうが良い」という結論です。
休薬の定義
・注射ビスホスホネートは止めてはいけない(ガンで使っているので使っているので、止めると生命にかかわる)
・経口ビスホスホネートは3年未満かつリスクファクターはない
→ 休薬はしない
・投与3年以上、リスクファクターあり
→ 休薬も考慮する。しかし、その際も患者さんの同意を得る。そう
しないと、訴えられる事例が散見するようになった
■対策
抗生剤を投与すると、予防が出来るようです。
抜歯前後の3日間抗生剤を投与すると、顎骨壊死が予防出るという報告あり。
抗生剤は特にこだわらない、古典的なペニシリン系でも大丈夫とのことでした。
⇒ 諭吉市の歯科医師会の先生も聞かれていたので、出す先生がいるかもしれません
PS.英語ではBisphosphonatesですが、日本語は様々ですね、ビスフォスフォネート、ビスフォスホネート・・・等々表記がありますね。