非定型骨折とビスホスホネート:昨日の勉強会その2

昨日の勉強会では非定型骨折の話題も出ました。

■ 非定型骨折とは?
ビスホスホネート製剤を長期服用中の患者の一部で,大腿骨の骨幹部など通常起こりえない部位に骨折が発生することが報告されています。発生頻度は極めて低く、ビスホスホネートとの関与性が心配され、先日、添付文書の改定も行われました。

でも、非定型性骨折はそんなに新しい疾患ではなく、かねてから、透析患者でも発生が報告されていました。これは、腎透析の時に骨代謝を抑制することによると考えられていました。

⇒講演された先生は「もともとの骨粗しょう症の症状の可能性」を言われていました。

■ どうするべきか?
リスクとベネフィットを考えると、骨粗しょう症による骨折の予防の方がずっと有用性が高い→ 投与を中止するべきではない

リスク(非定型骨折)    ベネフィット
1000人/年          1000人/10年アレドロネート
非定型骨折で0.23例   大腿骨頸部骨折 :40例
顎骨壊死:0.1-0.2   臨床椎体骨折:95例
         形態学的椎体骨折:240例

対策:もし、太ももが痛いとか訴えれば、確認する。非定型骨折ではよく「太ももが痛い」と聞く。
→ 太ももが痛いという訴えが分かれば、早期の治療が可能→治る確率が高い

時々、NEJMやJAMAにも非定型骨折は出てきます。頻度が低いので注意は必要だけど、ビスホスホネートの効果のほうが優先という論調が殆どですね。