外傷性障害を受けた後、死亡リスクが上がる?

外傷性傷害を受けた場合、急性期の対応も大事ですが、急性期を脱した後がとても重要になります。亜急性期→慢性期といくにつれて、急性治療からリハビリへ、入院から退院、そして外来、自宅療養と移り変わっていきます。

しかし、このような外傷による傷害を受けた人の致死率または、脂肪リスクについては詳細に研究したレポートは数少ないようです。しかし、このような調査は、外傷による死亡のリスクを推測できますし、改善することも可能です。

今週号のJAMAに外傷後の死亡率を調査し、それとともに何がリスクとなるか調べたレポートが掲載されました(http://jama.amaassn.org/content/305/10/1001.full

■方法■
ワシントン外傷記録保管室(Washington State Trauma Registry)のデータベースから1995~2008年の外傷を受けた成人、124,421人を後ろ向きコホート試験を行いました。

一次エンドポイントは外傷を受けて入院してから退院した後の長期の死亡率です。

■結果■
124,421人中7,243人が病院を退院する前にお亡くなりになり21,045人が退院後なくなりました。3年目の累計死亡率は16%で、同年代の3年生存率が5.9%ですので、有意に死亡率が高いことが分かりました。

入院中の死亡率は8%だったのが、14年間の調査期間の間に5.9%に低下しましたが、累計死亡率は5.9%から7.4%に増えました。

関連する因子を調べると、年齢が高いことと高度看護施設に入ることが死亡リスクを上げました。リスク比は18-30歳で1.41、31-45歳で1.92、46-55歳で2.02、56-65歳で1.93、66-75歳で1.49、76-80
歳で1.54、80歳以上が1.38でした。

また、脳挫傷の程度が高いほど死亡リスクが上がりました。また、高齢者向け医療保険制度に入っている人より、政府管掌保険にしか入っていない人の方が率が上がりました。

■結論■
外傷性傷害での死亡率は16%であったが、入院に関して言えば年々低下しています。

しかし、高度看護施設への入所はあらゆる年代層で死亡リスクを上げています。

今後、退院後のギャップを埋めていく必要があるようです。