COPD:スピリーバー vs セレベント

COPDの治療には吸入気管支拡張薬が使われます。今回、スピリーバとセレベント、異なる作用機序の吸入気管支拡張薬のCOPDへの効果を検討したレポートがNEJMに載っていました(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1008378?query=featured_home)

■方法■
中等度~重症のCOPD患者を対象に、セレベントとスピリーバを1年間投与し、急性増悪への効果を比較しました。

■結果■
7376人のCOPD患者にセレベント(3669人)とスピリーバ(3707人)を投与しました。

最初の増悪症状が出るまでの日数はスピリーバで187日、セレベントで145日で、増悪症状のリスクはスピリーバの方が17%低値を示しました(ハザード比が0.83)。


また、重篤な増悪に限っても、スピリーバの方がセレベントより増悪症状が発現するまでの時間を延長し(リスクのハザード比は0.72)、中等度~重症の増悪回数を減少し(1人当たりの回数:0.64 vs 0.72)、さらに重症の増悪に限ってもよく抑制しました(1人当たりの回数:0.09 vs 0.13)。

副作用やそれに伴う試験中止例は両群間で差はありませんでした。死亡例はスピリーバで1.7%、セレベントでは2.1%でした

■まとめ■
中等症から重症までのCOPDではスピリーバの方がセレベントより有効であることが示されました