アクトスが糖尿病発症を予防

耐糖能不全(IGT)は糖尿病に移行するだけでなく、心循環器系の疾患の危険因子でもあります。

この耐糖能不全に対してアクトスが糖尿病への移行を阻止、延長できるか?調べた試験がNEJMに掲載されていました(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1010949?query=featured_home#t=articleMethods

■方法■
OGTTの2時間値が140~199mg/dLで、かつBMIが25以上の患者さんを602人集めました。アクトスとプラセボを投与し、経過的に空腹時血糖とOGTTを実施しました。平均で2.1年フォローアップしました。

■結果■
1年間の糖尿病発生率はアクトス群が2.1%、プラセボが7.6%で、ハザード比が0.28です。耐糖能異常⇒正常に戻るのはアクトス群が48%、プラセボが28%で、これもアクトス郡の方がよかった。

空腹時血糖はアクトス群で11.7mg/dL、プラセボ群は8.1mg/dL低下した。OGTTではアクトス群は30.5mg/dL、プラセボ群で15.6mg/dLです。HbA1cではアクトス群は0.04%低下したのに対して、プラセボ群は0.2%上昇しました。

アクトス群ではさらに、拡張期血圧が2mmHg低下し、頚動脈内径の厚さが31.5%減少しました。また、HDLがプラセボより増加しました(7.35mg/dLvs4..5mg/dL)。ただ、体重増加はアクトス群が3.9kgで、プラセボが0.7kgと、アクトス郡の方が体重が増えました。もちろんですが、浮腫の割合もアクトス群が多いようです。

■結論■
アクトスは耐糖能不全⇒糖尿病への移行を72%抑制しました。しかし、同時に体重増加と浮腫が伴いました。
どちらを取るか?ケースバイケースですね