発達障害のこと

日曜日、日本外来小児科学会主催の春季カンファランスに参加しました。

今回は、「発達障害に関わる」-私たち外来小児科医にできること- というタイトルで、外来の小児科の先生がいかにして発達障害の子ども達にかかわるかという内容でした(思いつくまま書いてみました)。

発達障害、DSM4にそのカテゴリーが記載されてから、増えてます。大きく分けて
・広汎性発達障害
・精神発達障害
・学習障害
・ADHD
4つあります。広汎性発達障害が一番多いようです。

発達障害の症状が確認できるのが5才前後からのようです。これは、脳の発達に関係してます。脳の場合は後部⇒前部と成長し、発達障害で未熟となる前頭前野が形成されるのが5才前後のようです。このため、この年代にならないと分からないようです。

なので、5歳前後の検診が非常に重要となるようです。小児科の先生も検診で注意してみる必要があるといわれてました。

しかし、その様な発達障害の患者を一般の小児科で治療を行うかというのには意見が分かれました。
難しい理由としては、診断が難しい、投薬以外できることが限られている、一般的診療とは別に時間を割く必要がある、時間や労力が割にあわない等々があります。

ただ、幼児から学童期の成長過程を見るのは小児科医しかいません。そのため、小児科医には「気付き」が必要です。乳幼児から学童期までの発達を熟知し、早期に発見し、対処するのが重要です。

治療はクリニック単独では難しいようです(されてる先生もいますが・・)。特に療育は他業種と共同で行った方が良いと、皆さんいわれていました。他業種の方には臨床心理士、言語聴覚士(ST)、オプトメトリスト、音楽療法士、保健師、ソーシャルワーカー、教師、幼稚園教師等々います。これらの方と共同で行う。また、それらの方と仕事をすることで、技術を盗むことも勧めていました。

感想・・・・
小児科の先生といっても発達障害に対しえては手探り状態だと感じました。

通常の診察して、薬を投薬して、経過を観るという流れとは違います。また、大学でもそれほどは経験されていないようです。

潜在的な患者さんはかなり多いです。症状の重い軽いだけでなく、様々なタイプの方がいます。家族の苦労を考えると、受け皿となる所が出来ればいいですね。