アルコールの飲みすぎはガンのもと
BMJにアルコール摂取とガンの関係を調べた論文が出ていました(http://www.bmj.com/content/342/bmj.d1584.full)。
もともとはEuropean Prospective Investigation into Cancer and Nutritionのデータをさらに解析したものです。
「飲みすぎはいかんぞ」という耳の痛い話です。
■方法■
先に書いたように、欧州8カ国で行った、 European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC) 研究のサブ解析です。参加者は男性109,118人、女性254,870人という大規模なものです(37-70歳)。
一般の欧米のアルコール消費量、またはWHOのアルコール消費量のデータから平均的なアルコール摂取を出しました。そのアルコール摂取のデータから、ガンを発症した患者さんのある子t-る摂取量を比較して、統計ソフトで発ガンの因子となりえるアルコールの割合を算出しました(統計は難しいのでパス!)。
一次エンドポイントはアルコール消費とガンのハザード比を調べました。さらに、その中でアルコール摂取の上限(男性ビール中ビン1本[アルコール量だと24g]、女性200ml缶一本[アルコール量だと12g])もさらに調べました。
■結果■
今回、発ガンのアルコール摂取が原因となっていると考えられる割合は、男性で10%、女性で3%でした。
さらにガンの種類別に分けると、上気道消化管のガンで男性で44%と女性で25%、肝臓がんで男性33%と女性18%、結腸直腸ガンで男性17%と女性4%、乳がんで5%と、4部位でガンの原因因子としてアルコール摂取が大きく寄与していることが分かりました。
また、その中で、基準値以上のアルコールを摂取しているかたの割合を算出してみました。
性別 上気道 肝臓 結腸 乳がん
消化管 直腸
全体 男性 44% 33% 17% -
女性 25% 18% 4% 5%
基準以上の 男性 38% 27% 10%
アルコール 女性 25% 7% 4%
アルコールによると考えられるガンの発生の50~70%は基準値以上のアルコール摂取した方が占めているようです。
■まとめ■
西欧諸国ではアルコールの摂取はガンの誘発因子になっていると言う結論です。特に、摂取制限以上飲んでいると、ガンになる割合は大きいぞ、ということでしょうか?
どうも、飲酒もガンを予防するために、減らす/控えるということになるんでしょうか・・・