急性脳外傷時の開頭手術はあまり意味がない?

急性外傷で脳が損傷を受けると、脳圧が上がり、脳機能を傷害します。

そんな時は、一般的に開頭手術して減圧して、脳の損傷を防ぎます。

でも、今回NEJMで開頭術は脳圧を下げて、入院期間は短くするけど、予後は逆に悪化するという報告が出しました(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1102077?query=featured_home)。

■方法■
2002~2010年の頭部外傷の患者さん(減圧開頭術した方と標準治療した方)155人をランダムにサンプリングしました。

一次tエンドポイントは死亡、重篤な機能不全、さらにはグラスゴー評価も行っています。

■結果■
減圧開頭手術受けた群の方が、標準治療の群より、早く脳圧が下がります、またより少ない処置で脳圧が下がり、ICUに在室する時間も減りました。

しかし、減圧開頭手術は標準治療よりグラスゴースコアを悪化しました(悪化するオッズ比は1.84です)、また芳しくない結果になるリスクも高くなりました(オッズ比は2.21)。死亡率は減圧開頭術が19%、標準治療が18%でした。

■まとめ■
頭部外傷で脳圧が上がった患者さんに減圧開頭術をすると脳圧が下がり、ICUへの滞在期間が短くなりますが、最終的な機能は良くなく、逆に悪くするようです。