Caサプリメントは心循環器系疾患のリスクを上げる

前にも紹介しましたが、NIHの高齢女性の健康に影響を及ぼす主要疾患の原因と予防に関する研究部門であるWomen’s Health Initiativeはホルモン補充療法、低脂肪食療法そしてビタミンD+Ca療法による高齢女性の健康に及ぼす影響を無作為試験で調べてきました。

今回、その中の「ビタミンD+Ca療法」のデータを再度精査してみると供に、それ以外の大規模試験のメタ解析をすると、Ca+ビタミンDのサプリメント摂取で、心血管系のリスクが増えることが明らかとなったというレポートがBMJに掲載されました(http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2040.full.pdf)。

■方法■
報告者はこれまでメタ解析で、Ca+ビタミンDで心血管のリスクが上がる傾向があることを示してきました。しかし、WHIの結果ではリスクは上がっていませんでした。その原因として、事前にサプリメントをとっていたので、リスクが上がらなかったのではと推測しました。実は、WHIでは試験前にCaのサプリメントをとってる人が54%、ビタミンDでは47%いました


そこで、彼らはサプリメントをとっていた人をデータから省いて、再度、解析しました。さらに、その結果とこれまでのメタ解析に試用したデータと合わせて、調べなおしました。

■結果■

サプリメントをとっていた参加者を省くと、CaとビタミンDを取った群では心血管系へのリスクは上がり、ハザード比が1.13~1.21になりました。逆にサプリメントを試験前にとっていた群ではリスクは変化しませんでした。

また、他の大規模試験と合わせて検討すると、Ca+ビタミンDのハザード比は心筋梗塞で1.21、脳梗塞で1.20、そして両者を合わせると1.16でした。

また、Caだけで考えても、心筋梗塞でハザード比が1.24、心筋梗塞+脳卒中で1.16でした。

■まとめ■
CaサプリメントはビタミンDあるなしにかかわらず、独立して心循環器系疾患のリスクをあげるようです。