ロイコトリエン拮抗薬も第一選択薬なる?

なんか、ロイコトリエン拮抗薬のメーカーが喜んで、飛びつきそうなお話ですが、NEJMに載っていました(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1010846)。

もともと、殆どの治験は患者さんを選び、厳正な環境下で試験を行うので、実際の臨床の現場とは異なるのではないかと考えて、試験と行いました。

■方法■
2つの試験を平行して行いました。
一つが、ロイコトリエン拮抗薬と吸入ステロイド薬の比較、もう一つが吸入ステロイド薬を使ってた患者さんにロイコトリエン拮抗薬または長時間作動型β受容体作動薬に追加して効果を比較しました。

患者さんは12~80歳で、喘息の状況は簡易な質問形式の評価表((Mini Asthma Quality of Life Questionnaire [MiniAQLQ])で調べています。ちなみに6以下が状態がよくないようです。

2年間オープンで調べて、ロイコトリエン拮抗薬(148例)、吸入ステロイド薬(158人)で、さらに吸入ステロイドベース薬でロイコトリエン拮抗薬(170人)または長時間作動型β作動薬(182人)を服用した方で調べてみました。

■結果■
簡易検査のスコアは2年間でどちらの試験も0.8~1.0だけ増加しました。

2ヵ月後では、ロイコトリエン拮抗薬 vs 吸入ステロイド薬も、ロイコトリエン拮抗薬 vs 長時間β作動薬も効力に差がないことが分かりました。

しかし、2年後で比較すると、同等性が証明できなかったけど、効果に有意差はなかったようです。

■まとめ■
結果としては、ロイコトリエン拮抗薬だって第一選択薬になるし、吸入ステロイド薬でコントロールが悪い時もロイコトリエン拮抗薬の選択肢もありのようです。

ロイコトリエン拮抗薬も鼻炎を伴うような場合は吸入ステロイド薬より良いことがあるようです。

吸入が苦手な子や、ちっちゃな子には朗報かもしれません。

でもメーカーさんの匂いがプンプンします。