驚き!βブロッカーがCOPDに効くとは・・

COPDを含めて、β刺激薬を使う疾患にはβ遮断薬は使わない、と習ってきました。確かにβ2選択性があれば禁忌ではないけど、敢えて使うことはないと思います。でも、実際、使ってみると死亡率を下げるし、入院も少なくするし、いい事尽くめ・・・というレポートがNEJMに載ってました(http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2549.full.pdf)。

■方法■
入院後の死亡のデータとリンクしたCOPDのデータベースを使い、後ろ向きコホート試験で調べました。

対照は50歳以上の5970人のCOPD患者です。調査項目は全ての原因の死亡、経口ステロイド薬の服用、呼吸器系の緊急入院のハザード比を算出しました。

■結果■
平均4.35年フォローアップしました。88%心血管系疾患のためにβ遮断薬を服用してました。
COPD患者の死亡に対して、全ての治療で相加的にβ遮断薬は死亡率を下げました。

短時間作動型β作動薬または抗コリン薬を使用しているコントロールに比べて、β遮断薬を併用していると吸入ステロイド+長時間作動型β作動薬使用者でハザード比が0.28、長時間作動型吸入抗コリン薬使用者で0.43と改善しました。

同様の傾向は経口ステロイド治療、病院へ入院で調べても、β遮断薬は改善してました。

懸念された、β遮断薬併用による病状の悪化はなかったと書かれていました。

■まとめ■

β遮断薬はCOPDの死亡率、悪化を改善しました。この効果は心疾患へのβ遮断薬の効果とは無関係でした。

という、個人的は、画期的な報告かな、と感心しました。

かつて、β遮断薬が心不全に効くというレポートをスウェーデン一派が発表した時、と同じ気持ちです。

これがガイドラインに組み込まれるか?ウォッチしたいです。