第Xa阻害薬もワーファリンと同等だ!

トロンビン拮抗薬プラザキサが日本でも発売となって、心房細動による脳塞栓症の治療に幅が出ました。一方、第Xa阻害薬も同様な作用が期待されていたのですが、なかなか出てきませんでした。

そしたらNEJMのOnline Firstで第Xa阻害薬、リバロキサバンが非弁膜製心房細動による脳塞栓症に対してワルファリンと同等(非劣勢)であり、さらには重篤な出血ではリバロキサバンが優れているというレポートが出ました(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1009638?query=featured_home#t=articleResults)。

■方法■
14264人の非弁膜性心房細動の患者さんにリバロキサバン(20mg/日)とワルファリンを服用してもらいました。一次エンドポイント、脳卒中または全身性の塞栓症に対するワルファリンとの非劣勢です。

■結果■
脳卒中/全身性の塞栓症の発症はリバロキサバンで188人(1.7%/年)、ワルファリンで241人(2.2%/年)(リバロキサバンのハザード比は0.79と、ワルファリンに対して有意に非劣勢)。

ITT解析する、脳卒中/全身性の塞栓症の発症はリバロキサバンで1269人(2.1%/年)、ワルファリンで306人(2.4%/年)(ハザード比は0.88と、同じくワルファリンに対して有意に非劣勢)。

出血は、リバロキサバンで1475人(14.9%/年)、ワルファリンで1449人(14.5%/年)(ハザード比は1.03)と同じくらいの発生頻度でした。しかし、頭蓋内出血(0.5% vs. 0.7%, P=0.02)、致死性出血(0.2% vs. 0.5%, P=0.003)はリバロキサバンの方が有意に少ないという結果でした。

■まとめ■
リバロキサバンはワルファリンに比べて非弁膜性心房細動による塞栓症に対して非劣勢であることが証明されました。
また、副作用である出血は同等ですが、重篤な頭蓋内出血や致死性出血は有意に少ないことが判明しました。

バイエルはこのリバロキサバンを日本でも申請してます。今後、選択肢が増えていきますね。