実習生からの質問

昨日実習生から質問がありました。

昨日は昼ごはんを食べたら、しばらく暇でした。そこで、授乳と薬についてお話しました。その時に、参考資料としてヴェル県の「授乳とくすりのハンドブック」を渡しました。

半時ほど読んでいた実習生が寄ってきて、「ちょっと質問していいですか?」と尋ねてきました。

聞いてみると、シスプラチンは成育センターのカテゴリーでは「授乳不可」になっているけど、米国小児学会のカテゴリーでは「6」の「母親への薬物療法は通常母乳育児と両立できる」になっているけど、どちらが正しいの?というものでした。

確かに、ハンドブックでは真逆でした。思わず、「う~ん」と考えてしまい、宿題にしました、

で、今、調べてみました。Drug in pregnancy and kactationでは授乳は禁忌になっていました。データは3つあり、一つは全く母乳からは検出できない、いわゆる検出限界以下だったというものでした。残り2つは、一つが「母乳中にシスプラチンが検出され、母乳/血漿中濃度比が1.1だった」と、もう一つが「微量だが母乳中からシスプラチンが検出された」とうレポートでした。

米国小児科学会はこの後者の2つのレポートは参照しておらず、最初の検出限界以下だったというレポートだけでした。

ちなみに、Medication and mothers' milkではシスプラチンは2つの意見があると紹介してました。一つが「母乳中のシスプラチンの濃度を測定し、検出される間は母乳育児はしない(すなわち、検出限界以下になったら母乳育児は可能」と、もう一つは「母乳中のシスプラチンの濃度は量らず、母乳育児は不可」という意見でした、

教科書でもこのように記載に差があることを教えられました。

実習は学生にも勉強になりますが、我々、教える側にも勉強になりますね。