メトホルミンはガンを抑制し、DPP4は風邪をひきやすくする?

昨日、なのみの会の勉強会がありました。
本来の講演内容は糖尿病の療養指導なんですが、最初のイントロのところで面白いお話があったので、まとめてみます。

■メトホルミンはガンの発症リスクを下げる
メトホルミンを服用している糖尿糖尿病患者さんとそうでない糖尿病患者さんを比較すると、がんの発症リスクがメトホルミン服用していた方が少ないようです。

たまたま見た論文でも同様の結果が載っていました。
これは大腸がんの発生リスクを比較した、レポートです(メタ解析)。やはり、大腸がんの発症リスクを下げています。
「Reduced Risk of Colorectal Cancer With Metformin Therapy in Patients With Type 2 Diabetes
A meta-analysis」(http://care.diabetesjournals.org/content/34/10/2323

■DPP4阻害薬を服用すると上気道感染症の発症リスクが増える
DPP4はCD27というT細胞の表面抗原と同じです。なので、昔からDPP4阻害薬は免疫に影響するのでは?と言われていました。

でも、メーカの報告ではそのような事実はありませんでした。づっと、これが気がかりだったのですが、昨日の勉強会で出てました。

すなわち、DPP4阻害薬を服用した患者さんとそれ以外の患者さんの風邪の発症リスクを比較したものです。

結果は、上気道感染症はメトホルミンを1とすると、DPP4阻害薬は12と、12倍も発症しやすくなります。

びっくりです。

ただ、下気道感染症や肺炎の発症はないの重篤にはならないようです。

これが、CD27の免疫の関与の程度でしょうか?

文献:「Use of Dipeptidyl Peptidase-4 Inhibitors and the Reporting of Infections: A Disproportionality Analysis in the World Health Organization VigiBase 」(http://care.diabetesjournals.org/content/34/2/369.full