喫煙による冠動脈疾患リスクは女性が高い
喫煙の割合が減ったという記事が載っていました。しかし、昔は喫煙は男の専売特許でしたが、今や女性の喫煙率が増えてきています。
喫煙率が増えると心配なことの一つが冠動脈疾患(とイントロに書いてありました)。女性でも喫煙が増えれば、冠動脈疾患の数が増えてきます。
ただ、喫煙による冠動脈疾患のリスクに性差があるか?ということの結論は出ていません。
今回、Lancetに女性の方が冠動脈疾患のリスクが高い、というレポートが掲載されていました(http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(11)60781-2/fulltext)。
■方法■
方法はメタ解析です。1966年~2010年までに報告されたレポートで、喫煙と冠動脈疾患のリスクを調べたレポートで性別もはっきりしているレポートをピックアップして、男女の相対リスクを算出しました。
■結果■
様々な男女以外のファクターを調整した結果、禁煙による冠動脈疾患のリスクの女性の男性に対する相対比は1.25でした。
この相対比はさらにフォローアップすると、毎年、2%ずつ増加するようです。つまり、喫煙年数が増えると、さらに男女差が開くようです。
ただ、非喫煙者とこれまで喫煙経験者(今は吸っていない)とのリスク比は、男女で有意な差がなかったようです(0.96)
■まとめ■
この男女差がどうして発生するかは、「わからん」とレポートでは書かれていました。
ただ、女性の方がリスクが多いことを勘案すると、女性の喫煙が増えている国では禁煙のプラグラム(Tobacco-control programmes )を、特に女性には考えなくてはいけないですね、とまとめていました。
日本も女性の禁煙は様々な点から考慮しなくてはいけないですね。